自分は一般的? 独創的?
フォールス・コンセンサス(誤った合意性)

政事のニュースが出ると「~派」、「~グループ」など、なにかの集まりを表す言葉が出てきます。
政党はすでに政治的考え方の同じ人の集まりであるにも関わらず、その中でも小集団が生まれるのは面白い現象です。
身近なところでは、「犬派」、「猫派」や、「PASMO派」、「Suica派」、また買い物では「ネット購入派」、「直接現地派」などがあるかと思います。
ここで質問です。
1、あなたは「犬派」? それとも「猫派」?
2、それでは、世の中に「犬派」はどのくらい(何%くらい)いるでしょう?
この質問は、私たちが自分自身を「一般的」と感じやすいかどうかを調べる研究で使われたものです。
先に今回の話の種明かしをしてしまいます。
私たちは、自分が所属する派、自分の考え、自分の行動などをより一般的であり、自分と同じように考える人は多いと感じることが知られています。
社会心理学では、この誤った感じ方を「フォールス・コンセンサス(誤った合意性)」と呼んでいます。
先ほどの質問でいえば、1番で「犬派」と答えた人は、2番でより多く犬派はいると考えるでしょうし(こちらの結果をAとします)、1番で「猫派」と答えた人の2番の「犬派」の割合(こちらをBとします)は少ないということです。(つまり、A>Bとなるということです)
フォースコンセンサスの研究はリー・ロスら(1977)によって研究が行われました。
ロスらの研究では、大学生に「広告板を持って構内を歩いて欲しい」と依頼し、
(1)やりたい、やりたくないを確認、
(2)その後、同じようにやりたい(もしくは、やりたくない)と同じように答える学生はどのくらいいるかを聞くというものでした。
(広告板の依頼とは、サンドイッチマンになってくれと言うものです。なおサンドイッチマンとは2枚の広告板をからだの前後にかけて街頭で宣伝をする人を言います)
犬と猫の話同様、依頼を受けた学生は、自分と同じように依頼を受けた人は多いと考え、反対に依頼を受けなかった人は、依頼を受けた学生は少ないだろうと考えていました。
なぜ、このように考えたり、感じたりするのでしょう。
社会心理学では以下の様な点をあげています。
類は友を呼ぶというように、考えや趣味の似た人たちと集まりやすい傾向が私たちにはあります。そこで、「○○派かな」と、思い出すときは親しい人を思い出すことが多いので、他の派を想像しにくいという点。
自分が選択したものは選択しなかったことよりも、頭の中に占める割合が大きく、選択したもの自体を大きく感じる点。
自分の選択は合理的で正しいと思う傾向がある点。
フォールスコンセンサスとは反対の現象も存在します。
それは、フォールス・ユニークネスと呼ばれ、「自分は他の人とは違う」という考えです。
フォールス・ユニークネスについてはまた次回。
執筆:菊池 学

