ステレオタイプの必要性2
ステレオタイプは必要か?

「ある集団のメンバーの特徴に関する固定的な考え」をステレオタイプといいます。また、仲間以外の、外の集団に対するステレオタイプと感情が合わさったものを「偏見」といいます。
このような説明を読むと、「ステレオタイプって嫌なものなの?」って思うかもしれませんね。
ステレオタイプについて、面白い実験があります。ローゼンハンが1973年に行った研究です。
ローゼンハンの研究では、ステレオタイプを不適切に使用された場合の問題点を浮き彫りにしました。
ローゼンハンは、実験協力者に精神障害のあるふりをしてもらい、それぞれ別々の病院で入院してもらいました。入院後は、普通に振る舞ってもらい、いつ退院できるのかを調べたのです。退院には、平均3週間かかりました。
その間、入院中の実験協力者は医師に心理学の実験で参加しているだけと主張しましたが、退院はできませんでした。
医療スタッフはこのとき「精神障害者は妄想を言う」と思っており、「実験で参加しいる」という言葉は妄想だと考えたのかもしれません。
この研究には続きがあり、医療側の人間がローゼンハンに挑戦状を叩き付けたのです。 「実験協力者を3ヶ月の間に、精神障害がある人として何人でも送り込んでみなさい。偽物と見破ってみせます」と。
3ヶ月後、その病院では40名以上の偽物患者がいたと、ローゼンハンに連絡しました。
しかし、ローゼンハンは1人も偽の精神障害者を送ってはいなかったのです。
この研究から、ステレオタイプが不適切に使われると大変なことになることがわかりました。(正常な人を病気と判断したり、病気の人を正常と判断したり)。
しかし、ステレオタイプ自体は悪いもとは限らないのです。ローゼンハンの研究で見えた医療フタッフが持つ「精神障害者に対するステレオタイプ」は「精神障害に苦しむ人をすぐに医療の中で保護する」ために必要なものなのです。
もし、このステレオタイプが無い場合、精神障害者が苦しさを訴えても何週間も病院で入院できなかったり、治療がなされなかったりするかもしれないのです。
つまり、ステレオタイプは適切な場面で使用された場合は時間的節約などによってプラスに働き、とても重要なものと考えられます。ただし、ローゼンハンの研究でみたように、誤用されると大変なことになるということなのです。
「これってステレオタイプかも」と時々考えることが必要かもしれませんね。

