対象喪失③
~モーニング・ワーク、喪の作業~

前回は対象喪失について述べてきました。対象喪失には
①愛する人との分離
②健康や身体機能の喪失
③理想に対する幻滅
の3つがあります。これら対象喪失は悲しみや挫折感などといった、ネガティブなものとして捉えられます。今回は対象喪失から立ち直る際の課題、モーニング・ワークについて説明していきます。
対象喪失から生まれる感情
私たちは悲しい出来事に遭遇したとき、やる気がなくなったり、
「もう嫌だ」とやけになったりします。
喪失は強い悲しみである、悲嘆反応を伴うということを以前述べました。
では、対象喪失からは具体的にどんな感情が伴うのでしょうか?
大切な人が亡くなってしまった場合のことを考えてみましょう。
まず、「できることなら生き返ってほしいい」とか「亡くなる前の時間にもどしてほしい」といった
再生を願う気持ちが浮かびます。加えて、「私をおいて先に亡くなるなんて…」とか、
「もっとたくさん話したり、一緒の時間を過ごしたりしたかった」など
憎しみや
後悔の気持ちも出てきます。
再生を願う気持ちからはその人に対する愛がありますが、
一方で憎しみや後悔といったネガティブな感情があることも確かです。
気持ちを整理する過程
このように、対象喪失からは愛と憎しみという、相反する感情が両方湧きあがります。
しかも、大きく感情が揺らぐことから気持ちの整理がつかなかったり、
混乱してしまうのも仕方ないことでしょう。そうした気持ちの整理がつかなかったり、
混乱してしまった気持を整理していく課題をモーニング・ワークといいます。
モーニング・ワークは他に喪の作業や悲哀の仕事とも呼ばれます。
悲しみに浸り、周りに相談することも
喪の作業、悲哀の仕事と呼ばれるように、対象喪失に出くわした場合は悲しみや後悔に
一旦浸ることも必要であるということが言えます。悲しい時は悲しいと泣いたり、
気分が落ち込んだらそのまま落ち込んでおくといったことです。
しかし、もしその悲しみや後悔の感情に耐えきれない時には友達や家族、
周りの人に相談したり、協力を求めることも必要です。人に話し、悲しみを共有することで、
気持ちの整理がつきやすくなったり、苦しみを和らげることができます。
そのように上手くバランスを取りながら、誰しもが体験する対象喪失と向き合うことが
大切であると考えられます。

